埼玉県在住 150万円でマンションを落札して3ヶ月後に700万円で売却した今野さん

一人娘はミラノへ旅立ちました。
声楽の本場、ミラノ市立音楽院歌曲科への編入が決まったのです。

金型工場に勤務している52歳の今野は、成田空港のレストランで不動産業者の中山と祝杯をあげます。
「中山さん、あんたのお陰だ」「いえ、想いが通じたのですよ」
二人は笑いながらグラスを傾けます。

留学費用は2DKのマンション転売で捻出したのです。
もちろん、仕入先は競売物件。
薦めたのは不動産競売流通協会正会員の中山です。

「しっかし、よく管理組合が『うん』と言ったもんだね。滞納金額は352万に違約金利が120万だろ」
「商事債権の短期消滅時効がありますからね。
管理組合は勉強不足ですし、怠慢すぎます。15年近く管理費の滞納を許していたんですからね」
「でもさ、時効の60ヶ月なら120万近いだろ。なんで50万で手を打ったんだい。
そこんところが中山さん独自のノウハウだろけど、なんにしても大したもんだ」

中山は管理組合の理事長と膝詰めの話し合いを続けました。
彼の理屈は非正常な不動産を早期に正常にしたい。
その為にはお互いに譲り合う必要があるのではないかという物、法律の解釈を振り回したのではありません。
それに、中山にとって今野はお客と言うようりも友情に近い感情を抱いていました。

今野はイタリアへの留学費用を捻出するために、彼の唯一の財産であるアパートを売却しようと中山に依頼に来たのです。アパートの仲介をしたのも中山です。

彼は今野にとっておきの物件を紹介しました。
中山自身が入札しようとしていた物件でした。
対象物件の管理組合長は押しに弱いことを熟知していたのです。

「いいんですよ。お役に立てれば。それにしっかりと、仲介費用も頂きましたから」
「当たり前田のクラッカーってか。それにしても専用庭が見違えたね。あれが効いたね」
「女房がガーデニングに凝っていましてね。彼女も楽しんでいましたよ」

中山は引渡し命令から強制執行まで滞りなく済ませ、リフォームと専用庭を改造しました。
滞納金額は50万円、占有解除は30万円、そしてリフォーム費用とガーデニングの費用は70万円です。
別途の仲介手数料は30万円、諸経費は20万円の締めて総額350万円を倍の700万円で売却したのです。

不動産競売流通協会正会員も人の子、馴染みになれば、こんな物件を紹介してくれることもあります。

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